素朴でノスタルジックな音色と光の屈折が生み出すような奇妙な色彩感覚。そして人を食ったようなポップ・センス。バブリコン、マン・マン、ニード・ニュー・ボディ、そしてHIMのメンバーたちによるオーケストラル・チェンバー・ポップ・バンド。シカゴのポスト・ロック、アセンズのウィアード・ポップ、70代ドイツのエレクトロニック・ミュージックなどを消化、複雑なリズムと多彩なアンサンブルで不思議な風景を描き出す。
From Liner Notes 30代半ばから40代前半ならまず一聴してXTCを思い浮かべるだろう。グリフィンの声がアンディ・パートリッジに似ているということを差し引いても、このねじれてひねくれたボーカル・ラインはどうしてもXTCを思わせる。40代後半以上ならソフト・マシーン等のカンタベリー系、もしくはジャーマン・プログレからクラウト・ロックあたりか。時にエキスペリメンタルな部分も見え隠れし、ジャズ、サイケ、アフロ、電子音楽の一面も見せる。神経質にミックスされビルドアップされたサウンドは、ただ者でないミュージシャンの知識と経験、技術の高さを想像させるが、少なくとも60年代初頭から現在までの広義に渡る音楽の断片がアルバムを通してあちらこちらで散見できる、今時珍しくなった奥深い作品であることは間違いない。
(大漉高行氏によるライナー・ノーツより抜粋)
Track List
01 Jump Off
02 Mr. Squeezy
03 This Is It!
04 Bunny's
05 Golden Coin
06 Trial By Lasers
07 Vibes, Sweat, What's That?
08 The Only
09 As It Comes
10 The Flea Garden
11 Getting Fat At Rico's[bonus track]